社会文化の考察

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Flower

リフォームと風水

黄色はもともと工程が治める黄土の象徴

現代の風水開運風水は、道教の「仙道五術」の中の「風水地理」と「遁甲方術」が融合してできたものです。
風水地理は水利、土壌、地形などの地理的条件を考える観相学であり、遁甲方術は循環学的に人の運命を占う運勢学です。
風水地理で選んだ好条件の土地に住んでも、全ての人が幸せになるとは限りません。

社会が形成される中で、富貴や地位などの格差が生まれてきます。
そうした矛盾を、運勢や人柄といった個人の事情に求めることで、開運風水が成立してきたのです。
現代でも、住環境を考えるとき交通の利便性や行政サービスの充実度、治安など客観面が大切であることはいうまでもありませんが、それとともに、そこに住む人自身のライフスタイルや価値観を老虐に入れなくてはならないという意味では、開運風水の考え方には合理性があるといえるでしょう。

しかし、テレビや雑誌などで目にする家相風水にまつわる諸説の中には、首をかしげるものもあります。
その典型が、「家の中で西の方角に黄色のものを置くと金が貯まる」という話です。
方位に色を当てはめる考えは、中国の五行思想の影響であろうと思われます。
五行思想では、中央には皇帝が支配する肥沃な大地の色である黄色をあて、その北に黒色、南に赤色、東に青色、西に白色を配置します。
さらに、東西南北にはそれぞれ四聖獣を配し、皇帝の領土を守護させようとしたのです。

この考え方からすると、「西に黄色」は明らかに間違っています。家の中にいる人を守るための結界として色を配置するなら、西には「白色」のものを置くべきです。西に大地を示す「黄色」を置くと、何を守る結界なのか、その意味が崩れてしまいます。
では、なぜこのような誤解が生じたのでしょうか。
古来、中国では大地の色である「黄色」は、皇帝を表す神聖で高貴な色とされ、皇帝以外の人が使うことが禁じられていました。ところが、香港が英国の支配下に入ると、香港では「黄色」が自由に使えるようになったのです。
そのため、香港の民衆はこぞって黄色の衣服を纏い、家具や調度品にも好んで黄色を使い出しました。
同じ理由で、染付け文様の「五爪の龍」も日用雑器などに登場します。
この文様は黄色同様、皇帝にしか許されていなかったからです。

このように富貴の象徴である「黄色」を、財運がもたらされる方向である西に配することで、家内に金運を取り込みたいという発想が生まれたと考えられます。
日本には、その結論部分だけが導入され、流布されているのでしょう。
このように、方位にまつわるさまざまな調れや吉凶は、どちらかというと”じつけ”に近い感じがします。

中国の「風水地理」にしろ、日本の「陰陽道」にしろ、その影響力を大衆コントロールの有効な手法として利用してきたという側面もあったでしょう。
それでも、多くの人が信じれば、大きな社会的な影響力を持ちます。
大事なのは信じる人の心であることは否定できません。
いろいろなことを理解した上で、信じるかどうか、信じることによってプラスの効果を引き出すかどうかは、その人その人の選択の問題です。